“ドローン”の資産区分

〔構造,用途等により機械装置か器具備品に該当〕
空撮などで,すっかりお馴染みとなった“ドローン”。
近年,ビジネスでの利用も急拡大しているが,税法上の資産区分について公に明らかにされたものはない。
この点,平成27年9月の航空法改正で,一定の定義に該当する“ドローン”が無人航空機とされたことを踏まえ,
税法上も,「航空機」に該当するものと考える向きもあるが,改正航空法上の無人航空機に該当するものは,税法上の「航空機」に該当しないという。

 

 


〔“ドローン”をビジネスで活用しようとする動きが急速に拡大〕
近年,“ドローン”をビジネスで活用しようとする動きが急速に広がっている。
メディアが空撮などで利用する他,測量や農業,設備点検等,幅広い分野で既に活用されており,今後は,物流などでの活用も見込まれているところだ。
ただ,一口に“ドローン”といっても定まった定義があるわけではなく,趣味のラジコン程度のものから業務用の高度なものまで様々な種類がある。
値段も,1万円未満のものから数千万円するものまであり幅が広い。
改正航空法の適用により,航空法上は無人航空機に該当。

“ドローン”をビジネスで活用する場合,経理担当者として気になるのは,その資産区分はいずれに該当し,減価償却する際の耐用年数は何年になるのかという点だ。
また,中小企業経営強化税制( 措法42の12の4 )や中小企業投資促進税制(同42の6)などの設備投資減税では,対象となる資産区分が限定されているため,
その適用の可否という観点でも,いずれの区分に該当するかは重要となる。
しかし,現状,税法における“ドローン”の資産区分について,公に明らかにされたものはなく,耐用年数も不明だ。
ここで参考になりそうなのが,航空法だ。同法では,平成27年9月の改正(同年12月10日施行)により,以下のものを「無人航空機」と定義しており(航空法2[22]等),
この中には,いわゆる ドローン(マルチコプター)  ,ラジコン機,農薬散布用ヘリコプター等が該当するとされている。
※人が乗ることができない飛行機,回転翼航空機,滑空機,飛行船であって,遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(200g未満は除く)

この点,航空法の改正により,「無人航空機」に該当する“ドローン”は,税法における耐用年数の適用上の区分も「航空機」に該当することになった,との意見もある。
すなわち,耐用年数省令別表第一【航空機】の「その他のもの」の「その他のもの」に該当し,耐用年数は5年になるというものだ。

 

 

〔資産区分は構造・用途等で判断〕
しかし,航空法上の「無人航空機」に該当するものは,税法上の「航空機」にはならないという。
税法上の「航空機」は,人が乗って航空の用に供することができる飛行機等と解されているからだ。
現状,“ドローン”の資産区分は,実質,「機械装置」か「器具備品」の2択になるという。
そして,この両者の区分は,「規模」,「構造」,「用途」によって判定するということだ。

例えば,建設現場などの撮影用に使用される“ドローン”であれば,同別表第一【器具備品】の「4 光学機器及び写真製作機器」の「カメラ」に該当し,耐用年数は5年になることが考えられるという。
この考え方は,通常市販されているこのような“ドローン”が,空中から撮影を行うことを主たる目的として,その機能を発揮するために遠隔操縦による飛行機能を付加したものであるという実情によるものとのことだ。
また,農薬散布用に使用される“ドローン”は,同別表第二【機械装置】の「25農業用設備」に該当し,耐用年数は7年になることが考えられるという。

 

 

〔まとめ〕
・ドローンの機能や用途よって,耐用年数が変わってくる場合がある。

・ドローンが機械装置 又は器具備品の各細目の資産に該当する場合には,該当する各資産に応じた耐用年数(7年又は4年)になることが考えられる。

 


〔ちなみに〕
私もドローンを持っています。友人の結婚式の二次会のビンゴゲームで当たったんですけど、多分1万円前後のものだと思われます。
その時にドローンの価格について調べたのですが安いものは1万円以下。
その次の価格帯として5万円前後
そして10万円前後のものがあり、上でも記したような農薬散布用のドローンは約180万円するそうですよ。
さらにもっと高額なドローンもあるとかで、実際にドローンの保険もあります。
確かにドローンを資産計上したいって言われたら耐用年数悩みそうですね。
しかも用途や機能によって耐用年数が変わるとか中々厄介ですね。
映像制作系の企業から農家なんかも所有する可能性がありますから、これから企業の固定資産にドローンを見ることが増えてきそうですね。