父とサボテン
タイトルだけ見ると
「仕事だけが生きがいだった父が会社を定年退職して、家で無気力にテレビを見る日々を送っていたが、ひょんなことから始めたサボテン栽培が父を変えてくれた」
みたいなドラマを思い描きそうですが、そういうことじゃないです。
サボテンが原因で父にマジ切れした話なんです。
というのも父が観賞用に小さなサボテンを鉢ごとアマゾンで注文したのですが
届いた商品を僕が見てみると、そこには鉢しか入っていなかったんです。
そのとき父は不在でしたのでラインで「荷物届きました。これしか入ってなかったけどいいの？」と届いた商品の写真付きで送ったところ返ってきたのが
この写真。
「 鉢 だ け だ っ た の か 」
口調が変わるほど驚く父。衝撃的だったんだろうな。
しかもちゃんと外の気温に対する父の感想まで添えてくれている。
そうだよな、いかにサボテンが熱帯地域の植物といえども日本の夏は暑いだろうな。「サボテンも暑い」。サボテンがそう思うと僕も思うよ。
でもここで立ち止まっていても問題は解決しない。
そう「本当に注文した商品はサボテンの鉢だけだったのか？」という問題についてだ。
それを確かめるべく、父に代わって僕が調べようと思い、父に聞きました。
「何て調べたら出てくる？amazonで見てみます」と。
頼もしくなったもんだ。産まれたばかりの頃は歩くこともままならず、いつも抱っこしていた息子が今やパソコンを使いこなし、父である私を助けようとしてくれている。
そう思って目頭が熱くなっているであろう父が返してきた返事がこの写真。
「サボテンで検索しました」
そりゃそうだろうよ！
俺だってまずそれで調べたさ！
てめえamazonで「サボテン」だけで調べてみろよ、2万件以上のサボテンが出てくるんだぞ！
それを届いた商品と見比べながら1個1個、確認していけっていうのか！？ああん！？
それにちょっとドジッ子のおじさんポジションに居座ろうとしてるのも俺のマジ切れを助長させている
超、女子高生とかに可愛いって言われそう。
誰か俺を太い縄で縛ってくれ。
もし既読スルーしている今の状態で「サボテンで調べてくれた？」とか来たら確実にスマホを全力投球しちゃうから。
誰か俺を出来るだけ太い縄で縛ってくれ。
