呪いのビデオ
夏が近づいてきたこの時期はテレビで心霊特集も組まれたりして、
怖くなっちゃうのに見ちゃうっていうのを学習せずに毎年繰り返しています。
僕は結構怖い話が好きでホラー映画はビックリする演出が嫌いで見ることはあまりないのですが
文字にされた怖い話なら映像がない分、怖さが緩和されて結構楽しんで見ることが出来るんですよね。
怖い話のまとめサイトを見てみると1000以上もの怖い話があって、その中から興味を引くタイトルのものを選んでいくつか見るんですけど、
やっぱり怖い話の定番の修飾語は「呪いの」なんですよね。
呪いの病院、呪いの手紙、呪いのビデオ。
並ぶと壮観だな。
恐怖で背筋が凍ると同時に一体どんな恐ろしい呪いが出てくるのか興味をそそられてしまう。
ここでふと、怖い話を読む手が止まる。
そういえば呪いのビデオ以降、呪われた映像記憶媒体はあったっけ?と。
呪いとは非科学的なものであるが、人間の恨み辛み妬み嫉み等のネガティブな感情が
増幅し媒介となる対象にとどまる事で、その周囲にいる人間に危害を加えるというものだと認識している。
呪いのプロセスとしてビデオ、つまりVHSに呪いの感情を詰め込み、それを見た人間に危害を加える。
しかし昨今VHSなんて滅多にお目にかからない。今主流なのはDVDとブルーレイディスク。
呪いのDVDはまだありそうだが、呪いのブルーレイディスクはあるだろうか。
映像記憶媒体つながりでいえば呪いのハードディスクドライブ(HDD)まで行くと何だかもう呪い感がない。
「録画予約した覚えのない番組が録画されている…まさか呪い…?」
とはならねえよ。
日曜に向こう1週間分の録画予約を一気にして木曜ぐらいに忘れてるパターンだよ。
207万画素の超高画質で霊本体だけでなく浮遊する霊現象のオーブも鮮明に映し出します!
さらにバーチャルリアリティ(VR)映像対応により飛び出す霊がまるで目の前にいるかのような臨場感!
そしてウーファーユニット搭載の5.1ドルビーデジタルサラウンドシステムスピーカーでラップ現象の低音・高音を余すことなくお届けいたします!
と今にも高田会長がお茶の間の皆様にお届けしそうだ。
VHSの画質や音質の粗さによりハッキリと識別できなかった領域があって、
その領域について霊とか怪奇現象が起こっていると言える余地があったけど
科学が進歩して、そう言える領域が少なくなってきてるんだろうな。
なんてしんみりしながら一応「呪いのDVD」で検索してみると
「呪いのDVD 魔」と「呪いのDVD 怨」いう映像作品があった。2009年に作られていたらしい。
2019年7月17日現在のAmazonのDVD売れ筋ランキングで389,393位と565,639位という数字が呪いのビデオ以降の衰退ぶりを表しているようだ。
念のため「呪いのブルーレイディスク」で検索してみるとヒットしたのが
「ほんとにあった!呪いのビデオ パーフェクトDVD-BOX」
え?再生機器はビデオ?DVDどっち?
「ほんとにあった!」じゃねえよ
ブルーレイ探してんだから、ほんとになかった!だよ。
何となくB級映画として「呪いのブルーレイディスク」はあると思っていただけに残念だ。
呪いと最新家電との字面の相性はどうやら最悪のようだ。
それに気づいたから、映像作品も作られなくなっていったのだろう。