消費税増税に係る経過措置

 

 

〔基本的な経過措置〕
平成31年10月1日(適用開始日)から適用される消費税率10%への引上げの指定日まで1年となった。
前回の税率引上げ時と同様に、指定日の前日までに契約を締結しているなど一定の取引については、
適用開始日以後も旧税率8%を適用する経過措置が設けられている。

 

 


〔以前の経過措置の変更点〕
適用開始日以後もなお旧税率を適用する経過措置の内容は、前回の税率の引上げ時と基本的に同様。
ただ、電気料金等に関する経過措置に「灯油の供給」が追加された点と、
家電リサイクル料金に係る経過措置が新設された点のみ異なる。

・電気料金等に係る経過措置
適用開始日前から継続的に供給している電気、ガス等に係る料金等で、
30年10月1日~31日までの間に料金の支払いを受ける権利が確定するものは旧税率を適用。

・家電リサイクル料金に係る経過措置
リサイクル料金を適用開始日までに領収している場合で、
リサイクルを適用開始日以後に行うときは旧税率を適用。

各種経過措置のうち、指定日「平成31年4月1日」の前日までに契約の締結等が要件とされる措置は以下の表のとおり
(抜法附5,6,7,16,26年改正消令附(政令317号)4,5)。

 

 

〔長期割賦販売に係る取扱いの改正〕
平成30年度改正では、収益認識基準の見直しにより長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等について
延払基準により資産の譲渡等の対価の額を計算する制度が廃止される。
ただ、平成30年4月1日前に長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等を行った事業者については5年間、現行制度を適用できるとともに、
平成30年4月1日以後に終了する課税期間において延払基準の適用をやめた場合は、賦払金の残金を10年均等で資産の譲渡等の対価の額とする等の経過措置が講じられる(30年改正法附44)。

この点、税率引上げの経過措置では、適用開始日前に長期割賦販売等に係る資産の譲渡等について、
延払基準の規定の適用を受けた場合において、その長期割賦販売等に係る賦払金の額で適用開始日以後にその支払いの期日が到来するものがあるときは、
その賦払金に係る部分に係る消費税については、旧税率を適用するとしている(抜法附6、16)。
したがって、30年度改正を受けて延払基準を廃止した場合及び経過措置を適用した場合のいずれであっても、
資産の引渡しが平成31年9月30日までに行われているものについては、賦払金の支払日が平成31年10月1日以後でも旧税率8%が適用される見通しがたっている。

 

 

〔経過措置が適用される要件表〕

 

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〔まとめ〕
・消費税増税適用開始日は2019年10月1日からだが、経過措置を受けられる指定日は2019年4月1日であることに注意。

 

・財・サービスの譲渡が指定日や適用開始日以後であっても指定日以前に契約を締結していれば旧税率(8%)での適用を受けられる。

 


〔ちなみに〕
消費税が5%から8%へ引き上げられたのは2014年4月1日のことでした。
そして今回、8%から10%へ引き上げられるのが2019年10月1日です。
5年半で5%→10%で2倍になっています。ますます消費が少なくなりそうですね。
それと同時に2019年3月頃には駆け込み需要がまた起きそうですね。

えっ?と思うかもしれませんが、長期の支払い(リース料の支払い等)の場合はいまだに5%の税率が適用されています。
5%と8%が混在している今の状況にさらに10%の税率の支払いが増える。
考えただけで消費税の申告書を書きたくなくなります。
申告書作成する方・経理の方、頑張りましょうね・・・。