私は友人を泣かせるためにウォッシュレットしている姿を見せたんじゃない!

先日、友人から「引っ越したから遊びに来なよ」と連絡があったので友人宅に遊びに行きました。
新しい友人宅は新築のマンションでしたので外装も内装もとても綺麗でした。

部屋に入ってお互いの近況をしばらく話した後に、友人がお部屋紹介のコーナーを勝手に始めだしました。
他にすることもなかったので一通り紹介してもらいました。
キッチンから始まってリビング、洗面所、浴室と順番に回っていき、最後にトイレの紹介を終えてお部屋紹介のコーナーが終わりました。
友人が感想を求めてきたので「さすが新築だね、全部キレイでお洒落だね」と伝えました。

 

しばらくして友人が「ウォッシュレットって使ったことある?」と聞いてきました。

 あまりに突飛なことを聞かれたので混乱しましたが、とりあえず「使ったことあるよ」と答えました。
すると友人が「僕は使ったことないから、使ってみたい。けど怖い。だから見本を見せて欲しい」と言ってきました。

「ただ座ってボタン押せばいいだけじゃないか、そんなところ見せたくない」と断ったのですが
友人のあまりの熱意と、見本を見せてくれたら大事にしているイイDVDをあげると言われたので、
そこまで言うのだったらしょうがないと思い、見本を見せることにしました。

 

先程紹介されたトイレに二人で向かいました。
友人の前で下を脱ぎ、便座に腰掛け、ウォッシュレットの水勢を5段階中の2にセットし、おしりボタンを押しました。
ウィーンという機械音の後、水勢2の温水が僕のお尻を優しく洗い上げます。
友人は僕のその状態を便座と同じ高さまでしゃがみながら見ていました。
まるでグリーンで芝のラインを読むプロゴルファーの松山英樹のようでした。

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しかしその状態でも僕のウォッシュレット具合がよく見えなかったようです。
「すまないが、もう少し腰を浮かせてくれ」と友人が言ってきました。
リクエスト通り少しだけ腰を浮かせウォッシュレットの温水が当たっている様子を友人に見せます。
すると「Oh・・・」と何故か外人みたいなリアクションをしていました。

 

僕の見本が終わったので「今の感じでやってみたら?」と今度は友人をウォッシュレットへ促しました。
おずおずと下を脱ぎ便器に腰掛ける友人。
「お前のタイミングでおしりボタンを押してくれ」と友人が言うので
ほんのちょっとの茶目っ気が出た私は友人に分からないように水の勢いをマックスの5に設定し、おしりボタンを押しました。
僕の見本の時と違いとんでもない勢いで出る温水。
僕の時は「シャアアア」という感じでしたが、友人の時は「ジョババババババ!!!」という感じでした。

 

ウォッシュレットを始める前に、「怖いから手を握っていてくれ」と友人に言われていたので手を握っていたのですが、
友人がとんでもない勢いの水を一点で受け止めるや否や、握りつぶさんとするかのような力で僕の手を掴み始めました。
それに加えて友人がウォッシュレット中にも関わらず立ち上がりそうになるので、
「立ち上がるなよ!立ったら全部ビショビショになるぞ!」と注意するのに必死でした。

 

友人が「ストップ!ヘルプ!」と繰り返し叫びだしたので、さすがに止めてあげなければと思ったのですが
前述の通り友人がガッチリ僕の手を握って離さなかったのでウォッシュレットの停止ボタンを押すことが出来ませんでした。
半ば錯乱状態の友人を何とかなだめ、手を離してもらい、ようやくウォッシュレットを止めることができました。

 

友人は矢吹ジョーの最後のように便座にぐったりと腰掛け、「ジーザス・・・」「オーマイゴッド・・・」とうわ言のように繰り返していました。
あまりの衝撃に自分が日本人であることを忘れてしまったようです。

 

よろよろと立ち上がり部屋に戻った友人はよほどショックだったのか、さめざめと泣いていました。
涙の勢いもウォッシュレットと同じ5ぐらいあったと思います。
いつもは快活なのに、家を失ったハムスターのようにプルプル震えている友人を見ると、
とてもじゃないけど「今度はビデな?」とは言えませんでした。

 

DVDは貰って帰りました。