結婚式で使う写真の奇跡

結婚式を控えており、それに向けて準備を進めている。

今は式で流すプロフィールムービーの作成をしているところだ。

 

プロフィールムービー作成にあたって、

実家に帰り、私の小さい頃の写真や招待する親戚が写っている写真を探した。

 

私の小さい頃の写真は産まれた時から中学入学ぐらいまで年代別にアルバムに纏められていた。

母に感謝だ。

 

問題は親戚の写真だ。

親戚とは1年に1度会うか会わないかぐらいで、写真なんか撮った覚えがないから
おそらく親戚の写真はないだろうと思っていた。

それでも念のためアルバムを探すと奇跡的に1枚だけ親戚と写っている写真があった。

 

その写真は親戚の家の前で撮られていて、式に呼ぶ親戚の方が全員写っている。

しかも快晴の中、撮られている。

それだけでも充分に奇跡的なのだが、

写真に写っている人が皆穏やかな表情で、目をつぶっている人やどこか他の所を見ている人もいない。

更に写真嫌いで有名な私の祖父が見たことないぐらいの笑顔で写っている。

祖父の写真は沢山あるが、そのどれもが顔を背けていたり、仏頂面だったり、色付きの眼鏡でちょっと怖く写っていたり。

そんな祖父がまさに破顔一笑、見ているこちらも笑顔になるような表情で写っていた。

そのまま祖父の遺影に使えそうなぐらいだ。

 

ただ、一つだけその写真には問題がある。

こんな奇跡としか言いようのない写真に一つだけ大きな問題がある。

それはこの写真は法事の時に撮られた写真なのだ。

 

私の曾祖母(父方の祖母の母)の法事でこの写真は撮られた。

曾祖母は大病することなく、自宅で穏やかに息を引き取ったそうだ。

95歳の大往生。

そのため、葬式の時には少しだけ湿っぽくなっていた雰囲気も、その後の法事の時には、皆が穏やかな雰囲気で故人を悼んでいた。

祖父は久しぶり親戚一同に会えて嬉しかったということもあり、撮られたのがあの写真なのである。

 

親戚が一同に会し、皆がいい表情をしている。

しかし法事。

完全に喪服。

喪に服するための服を着用している。

写真の黒色の多いこと多いこと。

 

これはダメだあ。
結婚式に法事の写真はダメだ。

 

本当に人生とはままならない。