岡林はいつだって私の心をかき乱す
先日、得意先との打ち合わせに後輩を連れて行った。
連れて行ったのは
岡林 26歳 男性
鎌田 23歳 女性
の二人だ。
昼過ぎからの打合せだったのでお昼ご飯を食べてから行こうという事になり
3人で王将に入った。
この後、打ち合わせがあるからと思い餃子はパスして私はラーメンを頼んだ。
鎌田も食べた後のことを気にして餃子をパスし、天津飯を頼んでいた。
すると岡林が「自分、餃子いっちゃっていいすか?」と聞いてきた。
ちなみに岡林は強気でイキる時に受け口になる癖がある。
「自分、○○いっちゃっていいすか?」というフレーズに受け口。
幾度となく見た岡林の姿で、幾度となく私がイライラしている姿だ。
打ち合わせで岡林がメインで話すわけじゃないし、食べたいなら食べればいいじゃないかと思い、
餃子を注文する岡林を止めることはしなかった。
食後に、餃子を食べていないとはいえ中華料理を食べたその口で打ち合わせに行くのは憚られると思ったのか、鎌田がフリスクを取り出して1粒食べた。
その流れで私と岡林にも「フリスク食べますか?」と聞いてきた。
「ああ、ありがとう」と礼を言いながら私と岡林が手を差し出した。
すると鎌田は
岡林にフリフリと2振りして3粒のフリスクを出した。
私にフリフリフリと3振りして7粒のフリスクを出した。
7粒!?
鎌田は口臭だけでなく口の感覚から根こそぎ無くそうとしているのだろうか。
フリスクが出る量は調整できないにしろ、振る回数は鎌田のさじ加減のはずだ。
私の口臭は餃子を食べた岡林の倍以上だと判断しての行動だったのだろうか。
鎌田にそう詰め寄りたい気持ちはあったが、私は口が臭いようなのでやめておいた。
しかしこの釈然としない気持ちは何だろう。
昨今、キツイ匂いを撒き散らすスメハラというものがあるらしいが、これは何ハラだ?
クサいと指摘するからクサハラ?草原?なんだか爽やかそうじゃないか。
結局このモヤモヤした気持ちと、気持ちとは裏腹な爽やかすぎる口内環境のまま打合せを行った。
口臭を気にしすぎてダイナミックに話すことが出来ず、散々な打ち合わせだった。
帰りに打ち合わせが上手くいかず、私が落ち込んでいる姿を見た岡林は私にミントガムを差し出してきた。
岡林はいつだって私の心をかき乱す。