義務感でセックスをすることの辛さ
先日、婦人科に妻と一緒に行き風疹の予防接種を行いました。
なんでも今30歳の私たちの世代は風疹の予防接種率がまだ低かったようで
予防接種をしていない可能性もあるとのことです。
また、予防接種を受けていた場合でも重複して予防接種を受けることになにも問題はないとのことなので受けてきました。
念のため事前に母に確認すると、男だったので受けさせていないとのことでした。むしろいい機会でした。
そのついでに妻は女性特有の病気の検査を行っていました。
検査が終わったタイミングで私も診察室に入り先生の説明を受けました。
検査の結果は1週間ほどで出るので、その時にまた来てくださいとのことでした。
そして排卵が適正に行われているかを確認したいので、週末のこの日かこの日にセックスをしてください。と言われました。
その時はまあそんなもんかと思い「はあ」と何となく気のない返事をしたのですが、家に帰って冷静に考えるとこれが結構大変なことだなと思いました。
そしてその思いはその日が近づくにつれてどんどんと大きくなっていきました。
端的に言えば面倒だなって思っていたんです。
確かに種の繁栄として子供を産むという事は何よりも大切なことです。
しかし人間には種としての最大目的の他にどういうわけか個別の本能も備わってしまっています。
食べたいから食べる。
寝たいから寝る。
セックスしたいからセックスする。
そういう本能に根差した行動を自分たちのコンディション如何に関わらず他人から強要されることの辛さ。
お腹いっぱいなのに、この時間にこれを食えと言われて食べなければいけないとか
たっぷり寝て目が冴えて活動的になっている時に、この時間から何時間寝ろとか言われているようなものです。
映画の「セブン」を見た後のような何とも言えない嫌な気持ちになります。
妻も同じ気持ちだったようで、大切なことだと分かっているけど何だか割り切れないみたいな複雑な表情をしていました。
しかも産婦人科の先生にこの日かこの日の2日間のどちらかという指定があったのですが、その内の1日は妻が泊りがけで朝から遊びに出て行ってしまう日なので、
実質ピンポイントの日程でセックスしなければいけなくなりました。
しかもその日は金曜日。
更に運が悪いことにお互いに友人との飲み会が予定に入っている日でした。
友人と楽しく過ごした飲み会終わりで1週間の仕事の疲れも出ている状態で家に帰って義務感でセックスする。
当日の朝なんて
「分かっていると思いますが、今日は夜にすることがありますので、飲み会ではしゃぎ過ぎず、お互いなるべく早めに帰りましょう」
なんて妻から声掛けをされたぐらいだ。
何故か敬語で。
ムードも何もあったもんじゃない。
大体こういう事は、お互いに内から湧き上がる衝動に任せて自然と行われるものだと思うのですが、人類の生存計画と個人の欲求はなかなか相容れないものですね。
当日、今日は早く帰ると友人に伝えると
「結婚するとやっぱり変わってしまうんだな」なんて口々に責められ、私自身も後ろ髪を引かれる思いで何とか22時過ぎに帰宅することが出来ました。
帰宅すると妻は寝ていました。
「寝たいから寝る」という意思がはっきりと見て取れる寝姿でした。
その姿を見て何故か頼もしいと思いました。
婦人科の先生にはその日は寝たいから寝ましたと伝えようと思います。