エスカイヤクラブは最高

エスカイヤクラブに行ってきた。

こういうお店はバブルの時代に流行り、そして一気に廃れたが
エスカイヤクラブは未だに残っている。

時代の盛衰を生き抜く答えがここにあったように感じたわ。

 

エスカイヤクラブの入り口には会員制のお店だから一見さんは入るな。

あと、みだらな格好のやつも入るなと書いてあった。

 

みだらな心を持った俺は入っていいのかと逡巡したが迷いを振り切り、入った。

 

だって早くバニーガールを見たいから。

そう、このエスカイヤはバニーガールが給仕をしてくれるお店だ。

エデンと言い変えてもいい。

 

入ってすぐにバニーガールが2羽、もとい2人、僕を出迎えてくれた。

その非日常的な光景に一瞬鼻の下が伸びかけたが、バニーガールの横には屈強な黒服が一人。おっとここにも嬉しくない方の非日常が。

ちょうど日本ラグビー代表の稲垣啓太選手をスキンヘッドにしたルックスだった。

 

提供される料理よりも美味しそうなバニーガールのお尻を一撫でしようとした瞬間、こちらに向けられた殺気に気付く。

スキンヘッド稲垣だ。

違います!お尻に付いたフワフワを!このフワフワを触ろうとしただけなんですぅ!!

こっちにゆっくり向かってこないでぇ!

「店のルールを破れば死」そう思わせるには十分だった。

 

しかし死を感じたはずなのに人間というのは不思議なものでバニーガールを見るとすぐにそれを忘れてしまう。

 

おいおいなんだねその格好は。

そのハイのレッグの角度は一体何だね?

二等辺三角形の底角よりも鋭角じゃないか(どれくらいの角度か分かるかな?)

 

バニースーツの胸元を抉るようなその切れ込みは何だね。

元広島の黒田博樹投手のシュートでも投げ込まれたのかね?

エスカイヤクラブの創業者は男のスケベ心を熟知している。

 

これこそまさにカツカレー理論だよ。

トンカツ=うまい

カレー=うまい

じゃあカレーにトンカツのせたらスーパーうまいじゃん。

バカの発想だけど、理に適ってる。

それと同じだよ。

 

ウサギ=カワイイ

女の子=カワイイ

じゃあ女の子にウサギの格好させたらスーパーカワイイってなるでしょ?

 

え?間違ってる?

多分、創業者も銀行に借り入れに行く時にまったく同じセリフ言ったと思う。

 

間違ってますか?融資担当者さん?

女の子+ウサギ。カワイイですよね?じゃあお金貸しますよね。

最強の借入術。

 

ごちゃごちゃ売上見込がどうとか、原価がどうとか言ってて馬鹿らしくないか?

チマチマ書いた事業計画書なんか捨てちまえ。

 

私の店にはバニーガールがいます。じゃあ融資しますよね?どうですか?

それだけ。

融資を受けたい人はエスカイヤクラブの創業者に学ぼう。

真の差別化とはこういうことだ。

 

あとこの店の良い所は

バニーガールが安易に語尾に「ぴょん」をつけないこと。これがいい。

そもそもウサギには声帯がないため犬や猫のように鳴くことがない。

当然ぴょんなんて音はウサギから出てくることはないのだ。

 

しかしどうだろう彼氏にコスプレを強要され「語尾にぴょんってつけて喋ってよ」と言われるがままに

「そんなの恥ずかしいぴょん」なんて言ってしまった人も多いのではないだろうか。

 

一方エスカイヤクラブのバニーガールはぴょんの安売りをしない。

バニーの格好をしているといってもあくまで主体は人間であるワタシ。

体はバニーでも心まで許したわけじゃないという矜持があるのだろう。

 

と思っていたらそのお店で一番のベテランのバニーガールがぴょんぴょん言ってたわ。

言ってくれって頼んでもないのにずっと言ってた。

だからウサギには声帯がねえっつってんだろ!

 

ここまで書いて、そんなことはどうでもいいからバニーガールの写真を早く貼り付けなさいと思っている人も多いだろう。

 

しかし申し訳ない。それは出来ないんだ。

やらないんじゃなくて出来ない。

 

バニーガールと写真は撮った。

でも撮る時にあの黒服が「撮った写真をSNSに上げたらダメですよ」って言ってきた。

「もしあげたらどうなるんですか?」と聞くと

「上げたことはすぐに分かりますよ。その後どうなるかは…」と今まで仏頂面だった黒服がニヤリと口角を上げた。

まるで「私はそっちの方が楽しめるからいいんですけどねえ」とでも言わんばかりの表情だった。

酔いは一気にさめ、引きつった表情でバニーガールと写真を撮った。

バニーガールは暢気に「SNSに上げちゃだめですよぉー、一人で見て楽しんでくださいねぇー」と言ってきた。

家に帰ってその写真を見返したが、とてもじゃないが楽しめる気分ではなかった。