二度見本 「毒草を食べてみた 著:植松黎 文藝春秋」

書店で本を流し見ているときに
ふいに目に飛び込んでくる気になるタイトル。
買うほどじゃないけど思わず二度見してしまうような二度見本。
そんな二度見本の感想を書いていきます。

 

今回の二度見本はこちら

 

毒草を食べてみた (文春新書)

毒草を食べてみた (文春新書)

 

 

「毒草を食べてみた 著:植松黎 文藝春秋

 

 

本書の概要

 

身近にある毒草を紹介し、その危険性を知ったうえで食べてみるというシンプルかつぶっ飛んだ内容。

昨今、動画配信サイトでのジャンルとして挙げられる「歌ってみた」や「踊ってみた」と同じ感覚で打ち出された「毒草を食べてみた」。

誰も思いつかなかった、思いついても誰も実行できなかった禁断の企画。

間違いなくファーストペンギンかつ二匹目の土壌を狙う者がいないエターナルブルーオーシャンを堪能できる一冊。

 

 

全44話で、各話で毒草を1話ずつ紹介して毒草を摂取すると、どのような中毒となるかを描いた1話完結の構成となっている。

 


本書の見どころ

 

1話ごとに毒草が紹介されるのだが、これほど危険な毒草が身近にも存在するのかと驚かされる。
山菜や果実のような見た目の毒草もあり、知らなければ食べてしまう事が十分に考えられる事も脅威の一つだ。
さらにごく少量摂取しただけでも命の危険となるその高い毒性にも注目したい。
なにより著者がすべての毒草を食べるのかと思いきや、過去にその毒草を食べた人の記録から、その中毒症状を詳細に記載しているところが最大の見どころだ。
なるほど「著者が食べてみた」というタイトルではないのでそこに偽りはないともいえる。
確かに0.5gで致死量の毒草も紹介されているため、著者自身がその全てを食べていたら命がいくつあっても足りないだろう。
ちなみにタバコも44ある毒草のひとつに含まれている。漫画やドラマで出てくる、あの有名なトリカブトも紹介されている。


まとめ

 

なんとも出落ちの様なタイトルだが、そのインパクトとは裏腹に毒草の勉強になる大変面白い本だった。
各話の毒草の名前の見出しとは別に、サブタイトルとしてその毒草を端的に表現する一文があるのだが、どれもセンスが効いていてクスリとさせられる。
例えば「スズラン 花を活けた花瓶の水を飲んでも死ぬ」とか「ミトラガイナ アヘンとコカインを同時に味わったような効果」等、好奇心をくすぐられるものばかりだ。
1話が2~4ページほどで完結する構成となっているため、読み始めやすく、読み終わりやすい。
隙間時間であっという間に1冊読み終えることができ、読後に本書で得た毒草の知識を知人に話したくなる事、間違いない。
明日の話題に「毒草を食べてみた」いかがだろうか?